【格子の効果】緩やかな区切り・光や風の通り道
2021年06月14日
古都を歩くと、家々の格子街並みに趣を添える様子がいたるところに目に入ります。
社寺建築に由来する格子は、室町時代には格子窓として用いられ、防御の役割が強い太くてしっかりものでしたが、時が経つにつれて、細くて優美な意匠性の高い形状に変わっていきました。
町屋に見られる形状は、商いの種類や店構えの立派さの象徴ともなりました。
現在は防御や象徴としての役割だけでなく、格子には壁や扉ほどの厳密に空間を区切らないため、閉塞感・密閉間を和らげる効果があります。
また、桟の隙間からお庭などの風景を楽しむこともでき、開放的になりすぎず安心感も得られます。
風の通り道を作ったり、光による陰影を生んだりするのも大きな効果ではあります。